リハビリテーション

組織滑走法™(TGA)

組織滑走法™(TGA)

根幹となる考え

人間の体の中では、代謝活動が常に行われている。代謝とは「同化(合成)」と「異化(分解)」に分けられる化学反応を指す。同化と異化は反応の種類としては分けられるが、一つの器官に対して同時に起きている。

 

骨を例にとると「壊されながら作られる」ことでその形を保っている(動的平衡)

炎症反応、組織の修復、筋活動、全てに代謝が関係している。そもそも、生きるための活動の源を生み出すことも代謝である。食べたものを栄養に変えて吸収することも代謝が関係する。その代謝活動が行われるためには、各細胞に代謝に必要な物質を届ける必要があり、代謝によって生まれた物質を運ぶ必要がある。運搬の役割をするのは血液である。

 

IAIR アプローチは「細胞外液(血液、間質液、脳脊髄液など)の循環」に着目している。それは生理学、生化学的な理由に他ならない。

 

IAIR アプローチは、細胞外液循環を促すために生理学、生化学、解剖学的知識を用いる。表層部分の循環を対象にするのか、深層部分の循環を対象にするのかで、アプローチ方法を選択する。

IAIR は徒手的なリハビリテーションそのもので回復は起きないと考えている。

療法士が徒手で経皮的に外部から刺激を加えることでクライアントの生体の反応が賦活されることを期待する。

 

IAIR セラピストはクライアントの回復する反応を導く環境整備を行うのであって、決して「セラピストが回復させている」わけではない。クライアントの反応が回復させていると考える。

 

 

IAIRアプローチ

まずは結果にコミットすることによって患者との信頼関係を構築する。体に起こる変化(リハビリによる結果)を患者本人と共有することによって、信頼関係が得られていく。まずは出来ることにフォーカスし、加えて何故そうなるのかを理解する。自身の体を通した体験と思考を統合することで、技術が自分のものになっていく。

 

組織滑走法(TGA)

人体を巡る血液などの循環不全は組織に様々な影響を及ぼす。筋、筋膜のみならず、神経伝達、内臓の働きにも影響を及ぼす。

触診によって得られたこわばった軟部組織の感触は、膜組織間での滑走が生まれないことによる抵抗感が生み出していると考える。深層、表層の膜組織同士の滑走を生み出し、膜組織間の結合組織に変化を生み出す。膜組織間で生まれた滑走により、絞扼された毛細血管や神経組織の解放を目指す。

IAIRでは血液循環不全による全身の機能不全に対して、筋骨格に対するアプローチを中心に、様々な学術的解釈を添えて展開している。

IAIR Tissue Gliding Approach(TGA)は、IAIRがリハビリテーション従事者(PT、OT、ST)専用に創り出したアプローチであり、解剖学、運動学、病理学的側面はもちろんのこと、生理学、物理学、心理学側面も加えた、多面的な解釈を、シンプルな形として受講生がすぐに[出来る]形で提供しているのが特徴である。

 

 

〈深層組織滑走法:DTG:Deep Tissue Gliding Approach〉

骨に付着するような深層膜および関節包などの結合組織に対してアプローチする。表層からの徒手介入が困難な部位の膜組織の滑走には関節運動を起こすことが効果的である。

●アプローチの手順

    1. 対象の関節をend pointまで誘導する(対象としている組織へ伸張刺激を加える)
    2. 軽く刺激(振動)を加える

〈浅層組織滑走法:STG:Superficial Tissue Gliding Approach〉

動作の反復や、持続する同一姿勢の影響などで起こる、表層筋組織の機能異常は、痛みだけでなく知覚異常や循環不良といった症状の原因にもなる。浅層組織のアプローチは皮膚上からの押圧刺激で膜組織の滑走を起こす。

●アプローチの手順

    1. 対象部位をend pointまで押す
       その深さで待つ(場合によっては横断的マッサージ)

 

 

「国際統合リハビリテーション協会(IAIR)」とは…

手技