今回は基礎に着目して関節運動についてまとめました。
世の中にはAKAやSJF、関節モビライゼーションなど関節に対してアプローチして周囲へ影響を与えるものが多いですが、その基礎となる関節の運動についてまとめ、アプローチにつなげていきたいと思います。
その最初として、、、
関節運動学は、滑膜関節における関節面相互の運動を研究する運動学の一分野である。
関節面の運動は骨運動を構成する要素の基本であり、運動療法の基礎となる。
関節包内運動(副運動)
骨運動において関節包内運動は単独で起こらず二つ以上の運動が組み合わさって生じる。さらに骨運動の存在は関節包内運動の存在を示し、関節包内運動の消失は骨運動の欠如を来す。
滑膜関節における関節面の運動を総称して関節包内運動という。
関節包内運動には関節の余裕の範囲内で骨運勤に伴わずおこる「関節の遊び」と骨運動に伴って起こる「構成運動」がある。
ゆるみの肢位(loose-packed position:LPP)
関節面が小さく周囲組織が緩んでいる状態で、最大ゆるみの肢位を安静肢位という。
しまりの肢位(close-packed position:CPP)
関節面が広く接して靭帯や関節包が緊張している状態をいう。
関節の「ゆるみの肢位」と「しまりの肢位」は各関節で異なる。
関節の遊び
筋が完全に弛緩した状態での関節のゆるみの肢位で他動的に生じる骨運動を伴わない関節面の動きをいい,離開(牽引),圧迫,滑り,転がり,軸回旋がある(図1)。
構成運動
自動運動に伴って起こる関節包内運動をいい,滑り,転がり,軸回旋の組み合わせで生じる運動をいう。
凹凸の法則
運動する関節面が凸の場合、滑りは骨の角運動と反対の方向に生じる。
一方、運動する関節面が凹の場合、滑りは骨の角運動と同じ方向に生じる。
この法則を凹凸の法則と呼ぶ。
例として
肩関節内旋の動きを構成する上腕骨頭の後方滑りや,膝関節伸展の動きを構成する最終域での脛骨外旋・大腿骨に対する脛骨の前方滑り・膝蓋骨の上方滑り,腓骨の上方滑りがある。