リハビリテーション

トリガーポイントについて

今回はトリガーポイントについてです。

僕が主として施術を行うときに筋膜・膜組織リリースを用いて、疼痛軽減もしくは消失させて運動療法に入るのですが、トリガーポイントと筋膜リリースはほぼ一緒ですね。筋膜の繋がりを使うことでトリガーとなっている部位行ったりします。

 

トリガーポイントの定義

「押すと鋭い痛みを感じる過敏になった限局性のスポットで、筋組織の触診可能な索状硬結の結節の中に存在する」

筋肉のコリですね!肩凝ったとかのコリです!

トリガーは指先で触ると強張りや、シコリのような感触として感じます。

腱の硬さとは違う感じです。膜組織の強張りやシコリはより小さい感じです。

トリガーがあると筋の伸張性が低下し可動域制限の因子にもなりえます。

ちなみに索状硬結はトリガーがない場合でも筋内に存在する事があります

 

トリガーポイントの生理学

筋繊維で収縮が起こるのはサルコメアであり、サルコメアが過剰な刺激を受けると、筋は収縮しっぱなしとなりトリガーが形成されやすくなります。

サルコメアは収縮、伸張を繰り返し血液を上手く循環させています。

そのためサルコメアの動きが悪くなると酸素不足に陥り、トリガーに悪い刺激が入ります。

トリガーはそれに反応し痛みを飛ばし、脳は筋に休憩するように命令します。

その結果、筋は不活動性が高まり、短く硬くなっていきます。

 

セントラルトリガーポイント

筋、筋膜痛の改善に1番に治療する部位となります!

これは筋腹の中央にあるトリガーポイントの事です。

主にトリガーは筋繊維の中央部に発生しやすいです!

しかし!筋繊維の並び方は筋肉の役割によって違うのでそこは注意が必要です。

 

サテライトトリガーポイント

痛みに関連する部位にできたものをサテライトと言います。

そしてそのサテライトを誘発するものがキートリガーポイントとなります。

少しややこしいですがトリガーにも種類があります!

筋から筋へ流れるサテライトトリガー達が連鎖し慢性痛が長引く事も多々あります。

またキートリガーを沈静化させればサテライトトリガーが消失する場合もあります。

そのためキートリガーを見逃すとサテライトが中々改善しないパターンが生まれます。

 

付着部トリガーポイント

骨周囲や、骨に付着した筋に痛みを飛ばすものを付着部トリガーポイントと呼びます。

これはセントラルから誘発されたもので、純粋なトリガーではなく、筋緊張のストレスによって生まれた結合組織と考えられています。

よく言われている関節炎は実際この事だったりします。

付着部トリガーはセントラルをやっつけなければ改善しません!

先ほどのサテライト、キートリガーの関係性と似てますね!

セントラルから順に治療していけば良いだけですけどね!

 

関連痛

あるトリガーを押さえると他の部位に同じパターンの痛みが飛ぶことがあります。

この現象が関連痛です。

メカニズムは未だに分かっていません…

 

トリガーポイントの症状

痛みのレベルはトリガーの大きさよりも過敏性に影響されます。

背中に痛みを感じると大体の人は関節炎、ヘルニアなどを思い浮かべるかもしれませんが、筋・筋膜のトリガーによる関連痛であるパターンもあります。

なのでトリガーが原因かもしれないという考え方がなければ中々痛みが改善しないかもしれません。

この考えを持っておくだけでかなり違うと思います。

 

血管と神経の圧迫

トリガーによって太く短くなった筋は付近の神経を圧迫します。

圧迫された神経は脆くなり、その神経は筋内に伝わる電気信号を変化させ、結果として神経が働いている場所に痺れ、疼痛、灼熱感、過敏性等の感覚異常を起こします。

大体こういう症状は末梢神経障害という診断名が付きますがトリガーによって治る可能性があります。

またトリガーが形成されると筋は脈を締め付け血流障害を起こし身体を冷えさせ循環障害の要因となります。

 

運動障害

トリガーは筋を硬く短くすることにより可動域制限を起こします。

トリガーがあると筋は休めず疲れやすくなり回復力が低下します。

その結果動いた時に過剰収縮を起こし筋バランスが崩れ、更に酷くなると関節のズレや引っかかり詰まりのような現象を起こします。

関節の引っ掛かりや詰まりは、その周囲を満遍なくほぐすと結構良くなったりします。w

またトリガーは物質の重さを推測する感覚を失わせ、めまいや平衡感覚異常の原因にもなります。

その結果、筋が協調性を失い、つまづいたり、不意に物を落としやすくなったりします。

そして筋は収縮、伸張のバランスを上手く取ることで働いています。

トリガーがあると筋の正しい働きは損なわれ、収縮、伸張によって更に刺激を受け痛みが強くなり動けなくなるという悪循環を起こします。

人は痛みを伴う動作を避けるように代償・代替動作を行います。

しかしそれにより一部の筋に負担が集中し、普段とは違う動きを強いられるためストレスとなります。

そうしてまたそこにトリガーが発生し、また悪循環となります。

もはや…悪循環の無限ループです。

 

気分障害

慢性痛は精神的にもダメージを与え、抑鬱状態を引き起こすことがあります。

これは臨床で働いている方なら感じてるかな…

こうなると痛みを更に拗らせることがあります。

メンタルアプローチで良くなる痛みもありますがそれですね

それだけメンタルは大切です。

前述した通り、トリガーにより筋のリラックス出来なくなります。

その事により慢性的な疲労や痛みによる不眠症等を引き起こし、更にそれが抑鬱状態を引き起こしまた更にと負の連鎖は止まりません。

 

おわりに

簡単ではありますがトリガーポイントの考え方です。

トリガーポイントに興味を持ってもらえたら嬉しいです。