今回はアームラインの大まかな解説をしていきます。(4つ個々でも随時解説していきます)
四十肩・五十肩などの肩関節疾患や頸部疾患にも治療にこの考え方が大切になってきます。
筋・筋膜原因の場合はラインに沿って調整するだけで改善することもあります。
知っているのと知らないのでは大きなの差が出るとラインだと思います。(全部のラインで差が出ますねw)
概説
4本の異なる筋筋膜経線がある。
この4本は体軸骨格から肩の4層を通って、腕の4区分と手の4つの側面(母指、小指、手背、手掌)まで走る4本のアームライン(AL)である。
アームライン(AL)は見た目の整然とした対称性にも関わらず、4本の縦方向連続体が「交叉する」筋膜接続が多い。
この筋膜接続は下肢のラインよりも多い。
人間の肩と腕は可動性保持のために特殊な構造を呈している。
多くの自由度を保ち、制御と安定のために多くの可変ラインが必要となり、結果としてライン間の接続も多くなる。
このようなライン間の接続が多いにもかかわらず、上肢には前面と後面のそれぞれに沿ってい浅層・深層ラインが理想的に配列されている。
アームライン(AL)は肩を通過する際の配置から命名される。
姿勢機能
立位姿勢では、上肢は体幹上部の骨格から吊り下がり、上肢自体は構造上の支柱ではない。
上肢の重量と上肢が自動車社会やコンピュータ社会における毎日の活動と多様に関連することを考えると、アームライン(AL)が姿勢機能を持つことは確かである。
すなわち、肘からの緊張は背部に影響を及ぼし、肩の位置異常は肋骨や頸部、呼吸機能などを変化させる可能性がある。
運動機能
腕と手は我々の環境において、調べる・扱う・応答する・移動するなど無数に行われる日々の活動を、目と密接に連携しながら可動する連続体を介して行う。
アームライン(AL)は上肢から手指に及ぶ10箇所の関節面を越えて機能し、物体を引き寄せたり・押し除けたり・身体を牽引し・押し・安定させる。
あるいはある一定の状態に上肢を保持する機能を有する。
アームライン(AL)は継ぎ目なく他のライン、特にLL、SPL、FLと接続する。
詳細
アームライン(AL)に関連してよく見られる姿勢代償パターンは、肩の後退、挙上、回旋(内旋および肩甲骨の前傾)に関連し、肩、腕、手に関するあらゆる問題を引き起こす。
これらの代償は多くの場合、胸郭からの支えが弱い場合に認められ。
これを解決するには、基幹ライン、SPL、およびDFLに注目する。
手根管、肘、肩のインピンジメント、慢性的な筋肉痛やトリガーポイント痛は、このような姿勢代償パターンや支持不良から徐々に発現してくる。
各種
解剖学的形態が詳細に示されラインの方向を容易に検討できるという点で役に立つ。
上肢を側方に挙上し、手掌は前に向け、肘頭は床面に向くようにする。
スーパーフィシャル・フロントアーム・ライン(SFAL)
上肢の前面、手掌筋、前腕屈筋、内側筋間中隔、大胸筋に沿って配置される。
スーパーフィシャル・バックアーム・ライン(SBAL)
上肢の後面、僧帽筋、三角筋、外側筋間中隔、手関節・手指伸筋に沿って配置される。
上肢を肩の位置で内旋させる(回内せずに)のように、手掌は床面に向き、肘頭は後方に向く。
ディープ・フロントアーム・ライン(DFAL)
前面、母指球筋、橈骨、上腕二頭筋(烏口腕筋,上腕筋)、小胸筋に沿って配置される。
ディープ・バックアーム・ライン(DBAL)
上肢後面、小指球筋、尺骨、上腕三頭筋、肩回旋筋腱板、菱形筋と肩甲挙筋に沿って配置される。
上肢の支持的運動機能分析を行う際に、これらのこれらのラインに注目すると、運動中に使用されているラインを識別しやすくなる。特定のライン「遠位部」の過使用は「該当ラインの近位部」の緊張障害を引き起こす。
その他のライン
・浅後線:スーパーフィシャルバックライン(SBL)
・外側線:ラテラルライン(LL)
・ラセン線:スパイラルライン(SPL)
・機能線:ファンクショナルライン(FL)+バック(BFL),フロント(FFL),同側(IFL)
・深前線:ディープフロントライン(DFL)
・浅前腕線:スーパーフィシャルフロントアームライン(SFAL)
・深前腕線:ディープ フロントアームライン(DFAL)
・浅後腕線:スーパーフィシャルバックアームライン(SBAL)
・深後腕線:ディープバックアームライン(DBAL)