リハビリテーション

ディープ・バックアーム・ライン(DBAL)

今回は残る2つのアームラインはバックラインになります。

そのインナーマッスルであるラインをまずまとめさせていただきます。    

のちに、スーパーフィシャル・バックアーム・ライン(SBAL)を説明しDBALとSBALの伸張評価方法を投稿します。

 

構成要素

  • 上部頸椎横突起
  • 下部頸椎、上部胸椎横突起
  • 菱形筋
  • 肩甲挙筋
  • 肩甲骨内側縁
  • 腱板筋
  • 上腕骨頭
  • 上腕三頭筋
  • 尺骨肘頭
  • 尺骨骨膜
  • 尺骨茎状突起
  • 尺骨側副靱帯
  • 三角骨
  • 有鈎骨
  • 小指球筋
  • 小指外側

はじめに

DBALは上部胸椎と第7頚椎の棘突起で起始し、菱形筋を通って下外方へ肩甲骨の内側縁まで走行する。

したがって、菱形筋はSPLとDBALの一部である。

この両ラインの筋筋膜路線は肩甲骨内側縁でスイッチ分岐する

すなわち、SPLは肩甲骨の深層を前鋸筋まで続き、DBALは、肩甲骨を回って肩回旋腱板筋に続き、その途中で、ときに菱形筋から棘下筋までの間で小円筋が合流する。

棘下筋と小円筋は、上腕骨後面の次の駅である大結節まで下行し関節包と接続する。 DBALの分岐ラインは、後頭骨外側下面の外側頭直筋に起始し、第1〜第4頸椎横突起後結節を経由し肩甲挙筋に続く。

DBALの遠位駅は、菱形筋との接続部真上にある肩甲骨上角であるが、この筋膜線維は、上腕骨頭頂まで棘上窩で肩甲棘の上端に沿って走る棘上筋に接続する。

3つの肩回旋腱板筋はすべて上腕骨大結節まで行く。  

肩甲骨サンドイッチ

第4の肩回旋腱板筋である肩甲下筋は、肩甲骨前面を覆って上腕骨頭前面の小結節まで行く。

菱形筋の筋膜は肩甲下筋筋膜と棘下筋筋膜の両方を牽引し、肩回旋腱板筋で作る「肩甲骨サンドイッチ」に入れる薄切りキュウリとして関与する。

筋膜のこの全複合体は肩甲骨の「種子骨」を囲む。

肩甲下筋は、肩のバランスを保つために、DBAL複合体の1部として重要な役割を果たしている。  

肩回旋腱板筋の4つの筋は、眼筋が眼球を制御するのと同じように、丸みのある上腕骨頭を制御する。

  『手』の著者、フランク・ウィルソンは次のように述べている。 脳は目を示すのと同じように正確に腕と指を示す。

眼球や肩において目や上腕骨はそれぞれ、前後面と左右面、さらに長軸周囲でも、自由に回旋(あるいはスイング)することができる。

いずれの場合も、それぞれの動きに動力を与えるように、筋は正確な配置で並び付着している。

肩回旋腱板筋が付着する骨頭に近い上腕骨体、および小円筋が停止する付近の関節窩下面からは、次のライン路線である上腕三頭筋の3つの筋頭のうち最も長い筋頭が起始する。

上肢下垂では、DFALと同様のパターンのように、肩回旋腱板筋から上腕三頭筋までの段階で急激な方向転換が必要であるが、テニスのバックハンドのように肩を外転すると、この肩回旋腱板筋と上腕三頭筋は筋膜的かつ機械的に接続する。

上腕三頭筋は肘の先端である尺骨肘頭まで下行する。

ここから真っすぐに進み続けるためには、筋の接続を探してもうまくいかない。 筋膜の接続を探さなければならない。

これは、尺骨の骨膜とその隣接層が前腕尺側の全長を下行するからである。

DFALと同様に、DBAL安定性という共通理由から、尺側遠位半分までしっかりと尺骨に固定されている。  

例えば

DBALは、下肢のLLに相当する。

このラインは、DFALとともに機能して、肘の角度を調節し、腹這い姿勢では上半身の左右運動を制限、あるいは可能にし手の尺側から肩の背面までを安定させる。  

 

続いてスーパーフィシャル・バックアーム・ライン(SBAL)を説明しDBALとSBALの伸張評価方法を投稿します。  

その他のライン

・浅前線:スーパーフィシャルフロントライン(SFL)

・浅後線:スーパーフィシャルバックライン(SBL)

・外側線:ラテラルライン(LL)

・ラセン線:スパイラルライン(SPL)

・機能線:ファンクショナルライン(FL)+バック(BFL),フロント(FFL),同側(IFL) 

・深前線:ディープフロントライン(DFL)

・浅前腕線:スーパーフィシャルフロントアームライン(SFAL)

・深前腕線:ディープ フロントアームライン(DFAL)

・浅後腕線:スーパーフィシャルバックアームライン(SBAL)

・深後腕線:ディープバックアームライン(DBAL)