リハビリテーション

スーパーフィシャル・バックアーム・ライン(SBAL)

スーパーフィシャル・バックアーム・ライン(SBAL)を説明しDBALとSBALの伸張評価方法を投稿します。

 

構成要素

  • 後頭骨稜
  • 項靱帯
  • 胸椎棘突起
  • 僧帽筋
  • 肩甲棘
  • 肩峰
  • 鎖骨外側3分の1
  • 三角筋
  • 上腕骨三角筋粗面
  • 外側筋間中隔
  • 上腕骨外側上顆
  • 手根伸筋群
  • 指の背側面

特徴

背側のラインコントロール

姿勢アライメントとの関係

 

ライン詳細「近位」

SBALは、後頭骨稜から第12胸椎の棘突起に及ぶ僧帽筋の幅広い体軸付着部に起始する。

これらの線維は肩甲棘、肩峰、鎖骨の外側1/3に向かって収束する。

僧帽筋の胸背部線維、頸部線維、後頭部線維は、それぞれ、三角筋の後部、中部、前部の線維と接続する。

僧帽筋と三角筋の複合体は、大きな三角形の筋として見ることができる。(これは上部脊柱全体に沿った幅広い付着部から上腕骨外側に収束する。)

これを骨格にかぶせてみると、SBALが頭蓋骨後部から肩の全面に広がり、そこから上肢後面につながることがわかる。

ヒトの肩によく見られることであるが、肩が容易にバランスを取られない状態になると、多くの場合において、三角筋前部と深層組織の全域で混乱、緊張、誤用が発生しているか判断する必要がある。

 

僧帽筋~三角筋ラインはすべて三角筋粗面に収束する。

三角筋粗面では、筋膜接続は上腕筋の深層を走り、外側筋間中隔の線維と融合する。

 

伸筋と屈筋を分ける筋間中隔は、上腕骨外側上顆下部の中隔付着部まで下行する。

SBALは、この駅から総伸筋腱に直接続き、背側にある多くの縦走筋を経由し、橈骨〜尺骨〜骨間膜複合体まで走り、伸筋支帯の深層を通り、手根骨と手指に達する。

 

ライン詳細「遠位」

総指伸筋腱は、上腕の筋間中隔と直接的に筋膜接続し、さらに一続きの筋膜葉または筋膜片の配置を示し、上腕骨外側上顆から離れる。上腕骨外側上顆に接続している筋は、一続きの筋膜葉に接続し、総指伸筋が近位端で完全に分離していないことがわかる。

浅層伸筋は、長腱と起始する筋膜葉との間で停止する。

SFALと同様、筋は通常配置と逆配置を示し、浅層筋は手根で手根骨を制御し、深層筋はさらに遠くの指先に到達する。

 

SBALは、脊柱後面から指先の手背までをコントロール(制御)する筋膜である。

SBALは、テニスのバックハンドショットなど、尺側正中線の後部で行う限られた上肢の動きを制限するが、主にSFALの機能を制限するように動く、SBALは肩と上肢の挙上(外転)も制限し、肩甲帯から胸郭や脊柱(=姿勢)が不安定状態となる場合に酷使される傾向がある。

 

 

SBALとDBALの伸張評価

セラピストは対象者と向かい合って左右の手根をつかみ、対象者の体重を支えながら、上肢の「スリング作用」で後傾させる。

対象者は水上スキーをしているように、2本のバックアーム・ラインから吊り下げられ、ラインのほうへ傾いた状態になる。

対象者の手根と上肢を外旋させる(手掌を上に向ける)と、SBALが僧帽筋から手指伸筋にかけて伸びる(あるいは制限される)ように感じる。

手根と上肢をつかんで適度に内旋させる(親指を下に向ける)と、対象者は、菱形筋と肩回旋腱板筋を通ってDBALが伸びるのを感じる。

 

上肢は交叉筋があり、この方法は「一般的」で「ほぼ確実」である。

対象者が手技の領域に伸張を感じない場合、過伸張を感じる場所に注目すべきである。

なぜなら、対象者は、感じる領域をより伸張させることで上述の「正常な」パターンを示すようになる。

これは「一般的」な場合であり、職業的なパターンや反復的スポーツのパターンでは極めて協力に上肢の伸張が維持される。

 

 

その他のライン

・浅前線:スーパーフィシャルフロントライン(SFL)

・浅後線:スーパーフィシャルバックライン(SBL)

・外側線:ラテラルライン(LL)

・ラセン線:スパイラルライン(SPL)

・機能線:ファンクショナルライン(FL)+バック(BFL),フロント(FFL),同側(IFL) 

・深前線:ディープフロントライン(DFL)

・浅前腕線:スーパーフィシャルフロントアームライン(SFAL)

・深前腕線:ディープフロントアームライン(DFAL)

・浅後腕線:スーパーフィシャルバックアームライン(SBAL)

・深後腕線:ディープバックアームライン(DBAL)