アナトミートレインとは
筋膜のつながり 張力を感じ合うラインをアナトミートレインと呼ばれています。
日本の筋膜系では特にThomas myers氏のアナトミートレインの知名度が高いですがそれ以前から筋膜の連結について言及されることはありました。
人の体には206の骨、365の関節、400~650個の筋(主要な筋だけでも92種類)が存在すると言われています。単純計算でこれら個別の関節や筋の関係性を捉えようとすると、365×650=232750という膨大な可能性を評価していかなければならなくなります。
しかし、
アナトミートレインでは、身体中に張り巡らされた筋・筋膜の網を通して、姿勢や動作の安定がどのように得られるか解剖学的見解から編み出された理論である。
そのため、 一つの付着点からもう一つの付着点、端から端へ走る張力のラインとして見ることができ、 表層筋膜を網羅する筋膜面としてみることができ、さらに全身の骨格系を構成する筋と結合組織の三次元的な集まりとしてみることができます。
3つの原理・原則
⒈筋膜が同じ深さかつ直線的に走る。
⒉筋膜が互いにラインとして繋がりあい、影響を及ぼしあっている。
⒊筋膜のラインにはそれぞれ主要な役割がある 。
上記の原則に従うことにより、6つに分けることができます。
そのラインを理解していることで患者様の持つ姿勢・運動パターンを6つのLine(左右で合計12)それぞれ伸張/短縮の2つの状況に照らし合わせ評価を進めることができます。
また、上記のラインに+アームラインが4つのラインが存在します。
力伝達の程度・タイミング・明確な機序はまだ測定されていない。現在のエビデンスとしては筋群が筋膜を経てほかの筋群へ連結しているという考え方があり、連結は介在結合組織を経ていることが重要になる。
ラインの概要
体の前面にあるライン
・浅後線:スーパーフィシャルバックライン(SBL)
体の後面にあるライン
・外側線:ラテラルライン(LL)
身体の両側に広がる2本のライン
・ラセン線:スパイラルライン(SPL)
身体に巻き付くライン
・機能線:ファンクショナルライン(FL)
3種類ある大きい筋のライン
・深前線:ディープフロントライン(DFL)
身体の中央にあるライン
・浅前腕線:スーパーフィシャルフロントアームライン(SFAL)
上肢前面の浅い筋膜ライン
・深前腕線:ディープフロントアームライン(DFAL)
上肢前面の深いライン
・浅後腕線:スーパーフィシャルバックアームライン(SBAL)
上肢後面の浅い筋膜ライン
・深後腕線:ディープバックアームライン(DBAL)
上肢後面の深いライン
最初の4本のラインすなわち、SFL・SBL・左右のLLは前後左右4つの基本面に沿ってまっすぐに上下に走るラインなのでカーディナルラインと呼ばれます。